理科 地学部 日本水文科学会に高3生が参加、地学部OBが水文科学会誌への論文掲載と研究奨励賞を受賞
2018.10.22
10月13日(日)に京都市の総合地球環境学研究所で開催された「2018年度日本水文科学会 学術大会」に、地学部の鈴木泰我君(高3)が参加しました。大会2日目に行われた一般公開企画「身近な『水環境』」では、彼がこれまで取り組んできた新宿区立おとめ山公園周辺の地下水についての調査・研究結果を発表しました。発表タイトルは「東京都新宿区落合地域における水文地質的構造の推定」です。高3まで地学部の活動を続けた彼にとっては、6年間の集大成の場になったことと思います。
この一般公開企画では、研究者だけでなく、同じ分野を研究する市民団体や小学生なども参加し、交流しました。また、昼休みの初学者セミナーでは、「地下水はなぜ“きれい”なのか」について講義を受け、さらに「水循環プロセスの見える化とその展望」というテーマの会長講演では、熊本地域の先進事例を学ぶことができました。
そしてもう一つ、喜ばしいことがありました。地学部で同じ湧水研究を行っていた彼の先輩である清水彬光さん(東工大2年)の論文が、2018年1月に「研究ノート」というカテゴリーで査読を通って受理され、水文科学会誌に掲載されていたのですが、今回、なんとこの論文が研究奨励賞を受賞しました。これは、海城高校在学中から首都大学東京の松山洋先生の指導を受け、中高時代に執筆し始めた論文です。普通であれば、大学で専門を決めて卒業研究・卒業論文に取り組んでいくことになりますので、学会誌への掲載だけでも超高校生級のことです。さらに賞の受賞もあって、快挙を成し遂げたと言って過言ではないかと思います。
大会1日目には、清水さんの招待講演と表彰式が行われました。彼の論文は、以下のサイトから無料で閲覧可能です。どのようなものか、是非ご覧いただければと思います。今年度の大会は、本校地学部にとっても大変収穫の多い大会となりました。
*清水彬光さんの論文
清水 彬光, 上村 剛史(2018)「解析雨量を用いた自然湧水の涵養域に関わる考察―新宿区立おとめ山公園を例にして―」水文科学会誌 第48 巻 1 号 p. 3-16.
J-STAGEのリンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jahs/48/1/48_3/_article/-char/ja
到着後、ポスターを掲示して、初学者セミナーに参加
一般公開企画がスタート。ポスターの前でプレゼンする生徒
表彰式。発表賞という賞をもらいました
鈴木君の記念写真
清水さんの奨励賞受賞式(北海道大学・石井吉之先生撮影)
大会の全体記念写真